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後継者育成計画を検討するきっかけ

2024-08-06 00:00:00

人事労務トピック

ここ数年、台湾に拠点をおく日系企業から幹部候補の育成に関する相談が増えています。この相談の背景として、以下の3つの理由が挙げられます。

 

1.現地化の推進 
コロナ禍に一時的に日台間の移動が困難になったことをきっかけに、これまで日本人駐在員が占めていた経営層や上級管理職のポジションに現地スタッフの登用を検討する企業が増えています。
将来的に日本人駐在員が管理せずとも、現地スタッフで運営できる体制を整えたい、台湾市場において経営判断しながら指揮をとるのに駐在員では限界があると感じているようです。

 

2.組織の活性化
台湾にある日系企業では、組織の高齢化が進んでいます。日系企業の社員は比較的在職年数が長いという特徴があります。
これまで安定した経営が続き、長く勤めることが優遇されてきた結果、上級管理職や経営層の社員が近い将来に次々と定年退職を迎えます。
近い将来訪れる人材の入れ替わりに備え、早期に適切な人材を見極め、長期的に育てる取り組みが強化されています。

 

3.現地スタッフにキャリアパスの提供
日系企業の社員意識調査で、しばしば現れるのが「日本人駐在員が主要ポジションを占め、現地スタッフが昇進の機会を得られない」という声です。
性別や国籍に関係なく、能力と適性を重視したキャリアパスの確立が求められています。

 

これらの事態をきっかけに後継者育成計画の導入を検討するケースが多いです。実際にどんな手順で実行していけばよいでしょうか。
Step1:経営理念と戦略の明確化
Step2:重要なポジションの設定と要件の明確化
Step3:候補者の選定と育成計画の策定
Step4:育成計画の実行と定期的な進捗確認
Step5:適切なポジションへの登用検討

 

将来にわたって活躍が期待される人材を早期に発掘し、それぞれの社員に適した育成計画を立てることで、成長効果が高まるだけでなく、人材の流出を防ぐこともできます。
企業の永続的経営の可能性を確保するためには「人」のマネジメントが重要です。
今後も強固な組織であり続けるために、後継者の育成に積極的に取り組んでいくことをお勧めします。