台湾の地方自治体は台風来襲時に出勤停止令を発令する場合があります。
これを受けて、企業はどのような対応をするべきか、以下Q&A形式で紹介します。
A社 台風休暇について確認させてください。
パソナ まず、台風休暇というお休みはありません。
被災防止の為、地方自治体が発令する出勤や通学の停止令(中国語:停班停課)の通称が台風休暇です。
A社 では、当社所在地で発令された場合、従業員は出勤不要ということですね?
パソナ はい、政府の方針によりほとんどの民間企業がこれにならい、
従業員が出勤を拒否できる、という状況です。
(1)勤務先、(2)通常の通勤経路、(3)従業員居住地、のいずれかで発令時に当該状況になります。
A社 当社所在地と従業員居住地で発令がなく、通勤経路のみで発令がある場合も出勤しないのですか?
パソナ はい、従業員は出勤しないという選択が可能になります。
A社 公共交通機関(MRTや電車)が動いていれば、安全に通勤できますよね?
パソナ そのとおりですが、「天然災害發生事業單位勞工出勤管理及工資給付要點」の六.(三)に、
通常の通勤経路が発令エリアを経由する場合は出勤停止対象になる旨が規定されています。
また、発令エリアで公共交通機関が運行していても、従業員自身の判断で出勤しない権利があります。
A社 では、発令が通常の通勤経路のみの場合、従業員が迂回できれば出勤してもらえますね?
パソナ 迂回の打診は可能ですが、従業員には拒否権があります。
また、出勤停止令の適用は通常の通勤ルートで判断されます。
A社 従業員に出勤してほしい場合、企業としてどのような対応が良いですか?
パソナ いかに理論的であっても、出勤を強要したと誤解されないよう、
コンプライアンスに沿った対応が必要です。
A社 どう考えても災害レベルではないのに、対象エリアを通過する全従業員が出勤しないのは理不尽です。
パソナ お気持はよく分かりますが、台湾のルールですから従うほかありません。
背景として、出勤(通学)停止令が”台風休暇”と通称で呼ばれ、
ギリギリ発令されなかったエリアの市民インタビュー(ほぼ不満の声)をメディアが報じることも、
被災防止という本来の目的から外れ、発令を望む意識を助長していると感じます。
出勤停止令が発令され従業員に労働の事実がない場合、賃金は支給不要であることから、
決して”お休み”ではないという意識付けが重要です。
また、業務指示や承認を明確にする必要がありますが、在宅勤務した場合は賃金を支給するほか、
出勤の打診に応えてくれた従業員にはタクシー利用許可等の十分な安全を考慮したり、
別途手当支給等の労いを検討するのも一策となります。
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