書類選考は、求職者と企業をつなぐ最初の接点であり、採用プロセスの成否を左右する重要なステップです。しかし、履歴書を形式的に確認するだけでは、真に優秀な求職者を見逃してしまうリスクがあります。書類には、スキルや経験だけでなく、思考や価値観、可能性の片鱗が隠されています。表面的な情報を超えて文脈を読み取り、将来性を見極める視点が求められます。
本記事では、優秀な人材を見逃さないために押さえるべき書類選考のチェックポイントを解説します。
1. 職務内容の深掘り
職務内容の記載から、求職者の実務理解度や論理的思考力が読み取れます。単に「担当しました」といった記述ではなく、業務の難易度、担当領域、具体的な成果、他部署との連携経験、複数業務の並行対応力等、実務の質を確認しましょう。特に中途採用では、職歴の量より質が問われます。
チェックポイント:
「どのような規模、フェーズのプロジェクトに関与したか」
「成果は定量的に示されているか(例:売上○%アップ、コスト○%削減等)」
「自ら提案・改善した経験はあるか」
2. 転職回数の背景理解
台湾ではジョブ型雇用が一般的であり、社内異動ではなく転職を通じてキャリアアップを図る傾向があります。20代で多様な業務を経験し、30代で専門性を深めるスタイルが主流です。2~3年ごとの転職は決して珍しくなく、むしろ成長意欲の現れとも捉えられます。転職回数だけで判断せず、その背景にある意図や挑戦の軌跡を読み解く姿勢が重要です。
チェックポイント:
「転職の理由が一貫しているか」
「それぞれの転職で得たスキルや経験が次につながっているか」
3. 空白期間の理由に注目
キャリアに空白がある場合でも、その間に留学や育児、スキルアップ、家族の介護等、人生経験を積んでいるケースが多くあります。台湾では家族を優先する文化が根強く、家族のサポートのために一時的に職を離れることも珍しくありません。こういった個別の事情に目を向ける柔軟な姿勢が求められます。
チェックポイント:
「空白期間中の過ごし方が明記されているか」
「復職への意欲や準備(例:研修受講、資格取得等)が見られるか」
4. 自己PRの内容と構成
自己PRから求職者の価値観、強み、主体性が見えてきます。汎用的なテンプレートではなく、自身の経験や成果をもとに、どう発揮したかを語れているかが評価のポイントです。真に魅力ある求職者ほど、自分の言葉で語る力を持っています。
チェックポイント:
「強みが自身の経験と結びついて具体的に説明されているか」
「成果の背景にある行動や考え方について述べられているか」
5. ポテンシャルの見極め
特に若手や未経験職種への応募では、即戦力よりも将来性を重視する必要があります。過去に挑戦した経験、資格取得や社外活動、学びに対する姿勢、論理的な思考能力等、成長意欲を示す要素を見逃さないようにしましょう。
チェックポイント:
「未経験分野に挑戦した経験があるか」
「資格取得、社外活動の実績があるか」
書類選考において、求職者の情報はあくまで断片です。しかし、その背景にある意図や可能性に目を向けることで、埋もれていた逸材に出会える可能性が高まります。実際に、「書類では判断が難しかったが、面接で大きく印象が変わり、結果的に活躍している」という事例は少なくありません。まずは書類から、その可能性を発掘する目を養うことが、真のマッチング成功につながります。
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