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【人と組織の成長を支える】職場におけるコミュニケーションの重要性(前半)

2025-10-12 00:00:00

人事労務コラム

台湾での駐在業務において、異なる言語、文化、価値観のもとで働くなか、現地のチームや日本本社との連携は、皆様にとって大きな挑戦のひとつではないでしょうか。
本記事では、人と組織をつなぐ「コミュニケーション」の本質について、 その基礎から実践的なアプローチまで、2回に分けてお届けします。

物事が順調に進み、目標を達成することは、すべての働き手に共通する願いです。
職場でのやり取りの基本要素は大きく分けて「人間関係」と「業務(タスク)」です。
この2つをスムーズに機能させるために欠かせないのが、良好なコミュニケーションです。

■ 今、最も重視されているスキルとは?

2024年、世界的なビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」は、10億人以上のユーザーデータをもとに、企業が求めるスキルのランキングを発表しました。
情報源:LinkedIn調査

トップ10は以下のとおりです。

  1. コミュニケーション
  2. カスタマーサービス
  3. リーダーシップ
  4. プロジェクトマネジメント
  5. 組織管理
  6. 意思決定・分析力
  7. チームワーク
  8. マーケティング
  9. 問題解決力
  10. 情報リサーチ

ご覧のとおり、「コミュニケーション」スキルが堂々の1位です。
これは新入社員だけでなく、管理職・リーダー層にとっても今後ますます求められる力です。
職場で働く人にとっても、企業の雇用主にとっても、「コミュニケーション」の重要性が深く認識されていることが分かります。

それでも「伝わらない」ことがある理由

誰もが「コミュニケーションの重要性」を理解し、この能力の向上に努めています。
しかし実際の職場では、うまくいかないと感じる場面も少なくありません。

「伝えたつもりだったが、誤解された」
「ちゃんと聞いていたのに、認識がズレていた」
「話しているのに、何も進まない…」

努力しているはずなのに、なぜうまくいかないのでしょうか?

名経営者・松下幸之助氏の言葉

「日本経営の神様」とも呼ばれる松下幸之助氏は、長年の経営経験の中でこう語っています。
「企業経営において、過去も、現在も、そして未来も――すべてにおいて“コミュニケーション”が最も重要である。
この言葉は時代を超えて、現代の私たちにも響くメッセージです。

過去・現在・未来をつなぐ「対話力」

職場でのコミュニケーションは、時間軸により役割が異なります。

  • 過去の対話:信頼関係の構築
  • 現在の対話共感と違いの尊重
  • 未来の対話ビジョンの共有と意図の明確化

良好なコミュニケーションの3条件

社会学辞典では、相互理解を生む基本条件として、以下の3つが挙げられています。

  1. 正確に受け取る;偏見を交えず、相手の意図を客観的に理解すること。
  2. 的確に変換する;状況に応じて要点を抽出し、適切な手段で表現すること。
  3. 効果的に伝える;誠実かつ論理的に、柔軟に調整しながら伝えること。

良好なコミュニケーションの3条件は、私たちの日々の対話の質を高めるための指針となります。
これらを意識することで、職場の人間関係や業務の進行が格段にスムーズになるでしょう。

次回は、実際の職場で「話しているのに伝わらない」という困難に直面したリーダーのケースを紹介します。
この状況を、どう打破したのか?その鍵は、4つのステップにありました。

次回につづく。

 

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