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職場のセクハラ対策について

2024-10-08 00:00:00

人事労務コラム

台湾には「性別平等工作法」という法律があり、職場で起こるセクシャルハラスメント(以下、セクハラ)はこの法律が適用されます。また、この法律は企業が実施すべきセクハラ防止・抑制のための措置についても具体的に規定しています。

 

セクハラに関し企業が実施すべき対応は以下のとおりです。
【セクハラ発生前の対応義務】
・相談窓口を定め、職場の目立つ場所に連絡先を掲示する。 (従業員数10名以上の場合に該当)
・職場におけるセクハラ防止対策に関する規程を策定する。また、ハラスメント防止教育・研修を実施し、実施記録を残す。(従業員数30名以上の場合に該当)
【セクハラ発生時の対応義務】
・セクハラの有無や内容について事実確認をする。
・セクハラ行為が再発しないように対処する。(行為者に対する口頭および書面での注意、教育実施等)
・行為者に対する適切な処罰、措置を講じる。
・業務内容や勤務場所を適切に調整する。
・セクハラ被害者に対して必要なサービスを提供または紹介する。(医療サービスやカウンセリング等)

 

まず、セクハラ発覚時の対応義務としては実際にセクハラを受けた者への事実確認とケア、また、事実確認実施後に、行為者(加害者)に対する対処を行うことが定められています。
この義務はセクハラ被害者が退職しても消滅せず、企業はできる限り対応する必要があります。加害者が自社内ではなく取引先の顧客であっても、企業は加害者側の企業代表者と連絡を取り合い、その問題が再発しないように対処する義務があります。もし相手方企業が十分に対応しない場合、政府の窓口に訴えることもできます。
そして、セクハラ発生防止対策も従業員数によって実施すべき対応が規定されており、もし実施していない場合は2万~30万元の罰金が科される可能性があります。

 

性別平等工作法は直近で2023年に改正があり、セクハラ防止・抑制に関する対策が強化されました。例えば、勤務時間外に起きたセクハラであっても、加害者が同じ事業所に所属する人物、異なる事業所に所属するビジネス関係のある人物又は最高責任者や雇用者で、勤務時間内と勤務時間外の両方で当該行為が行われた場合、発生場所の如何を問わず職場でのセクハラに該当し、企業の対処範囲となります。
このように、セクハラへの問題意識が高まるにつれ法律の内容も複雑化しています。
コンプライアンス遵守と社員が働きやすい環境を整えるという点から、常に情報をアップデートしながら対応していくことが求められます。