企業は経営のために労働力を確保する必要があり、業務従事者との間に契約が必要です。いずれの契約に基づき、何の提供を受け、どのような対価を支給するか、今回はその概要を紹介します。労働関係法令をはじめとするコンプライアンスのご参考になれば幸いです。
1.契約と対価
(1)雇用契約(労働契約)
多くの企業で一般的に見られる契約形態で、雇用者は被雇用者に対する指揮命令権を有します。
台湾の雇用契約には”不定期(≒無期)”と”定期(≒有期)”があり、後者は原則として臨時性/季節性/短期性/特定性の業務に適用されます。
企業と業務従事者の間に雇用関係が生じ、企業は労務提供の対価として賃金を支給します。
(2)委任契約
企業と業務従事者の間に雇用関係は無く、企業は業務従事の対価として報酬を支払います。
(3)請負契約
企業と業務従事者の間に雇用関係は無く、企業は業務結果の対価として報酬を支払います。
2.適用法令
(1)雇用契約(労働契約)
企業と業務従事者は雇用契約(労働契約)を締結し、労働基準法等の労働関係法令が適用されます。
注意すべき点として、日本と異なるルールが多数あります。
例えば、台湾では管理職/非管理職を問わず、原則として全ての被雇用者に対して残業代支給が必要です。
また、賃金や福利の既得権を下方変更する場合は労使間同意が必要であり、降格時の減給についても同様です。
(2)委任契約
企業と業務従事者は業務契約を締結し、当該取引に関する法令が適用されます。
(3)請負契約
企業と業務従事者は業務契約を締結し、当該取引に関する法令が適用されます。
以下概要をご参照ください。