台湾では人材の売り手市場が続き人材の確保が年々難しくなっていますが、そもそも台湾にはどのような求職・求人方法があるのでしょうか。
〈政府機関〉
日本のハローワークに該当し、勞動部勞動力發展署が運営する就業サービスです。台湾5か所に分署を設置し全国を網羅する公共機関の運営となります。「就業服務據」である公共職業安定所では就職・職業訓練の提供相談、失業保険給付の受付等の業務を担っています。台北市内には14ヶ所、人口が最も多い新北市には30ヶ所あります。「台湾就業通」というウェブサイトで求人検索のほか職業訓練コースも開設しています。
〈紙媒体〉
・新聞
折込み求人欄でよく見かける職種はビル・マンション・デパート・学校・幼稚園等の警備員や清掃員、飲食店の洗い場や厨房のスタッフ、ガス・水道・電気や伝統産業の作業員、倉庫作業員です。
・求人誌「求職便利通」
大手コンビニ等、生活に密着した場所に設置され、エリア毎に発行され求職者が無料で手にすることができます。
〈自社採用サイト〉
在台湾日系企業ではあまり見かけませんが、大手台湾系企業では自社採用サイトの内容が充実しています。掲載内容や表現が自由なため、企業の雰囲気や、実際に働いている社員の様子を写真や動画で掲載することで、求職者が職場の様子を具体的にイメージすることができます。
〈ダイレクトリクルーティング〉
求職者のデータベースを保有するプラットフォーム事業者と企業が契約します。求職者は自身の経歴やスキル等の情報を登録し、企業は自社にマッチする求職者を探してアプローチすることが可能です。104、1111、Yes123等の人力銀行が該当します。
〈ソーシャルリクルーティング〉
ソーシャルメディアを活用し企業の魅力や社風を、よりリアルにスピーディーに発信し、共感を得た候補者に対してアプローチする方法です。ビジネスの面でもソーシャルメディアの活用が進む中、特に若い世代は新たな繋がりをつくることに積極的です。台湾系の多くの企業でもこの採用方法を取り入れています。使用される媒体はLinkedInやDcard等です。
〈就職フェア〉
・就職博覧会
勞動部は2024年5月~7月に専門学校・大学・大学院を卒業予定の新卒者向けに全土で大型就職博覧会を5回実施します。その他、毎年3月以降の週末に各大学で就職博覧会があり、在学生、他校の学生、第二新卒、既卒者(出身校関係なく)も入場可能です。
・JOB博
パソナ台湾では毎春、「JOB博Online」を実施しています。オンラインで視聴できるライブ型配信となり有名国立/私立大学出身の日本語人材が多数参加します。特徴としては、大学卒業予定の新卒人材、20代の方が多く参加するイベントです。
〈人材紹介〉
民間の就業サービス機構で、人力銀行・人材仲介・管理顧問等の企業名を使用しています。求職者に仕事内容等を理解してもらい、応募する求職者を紹介します。台湾の「就業服務法」および付属法令の規定に基づき、許可申請主務機関の監督を受けなければなりません。
〈リファラル採用〉
自社社員に人材を紹介してもらう採用手法です。人柄をよく知る社員からの紹介の為、適性やスキルを把握しやすいとされています。履歴書だけでは見えてこない人物像も紹介者から伝えられ、求職者もネット上の口コミだけではなく、実際の職場の雰囲気を知ってから入社を決めることが可能です。リファラル採用を促進する為には、紹介を斡旋した社員へ報酬金を支払うインセンティブ制度が有効です。