本記事では、台湾の被雇用者が加入すべき制度(労工保険、健康保険、退職金制度)から、労工保険について紹介します。
労工保険は日本の労災保険/失業保険に類似し、以下の要素で構成されています。
(1)普通事故保険…出産給付、傷病給付
(2)職業災害保険…業務に起因する傷病、傷害、死亡等
(3)就業保険(※)…失業手当、早期就職手当、職業訓練、生活手当、育児休業手当、失業時の家族健康保険料補助
(4)労工保険基金
※就業保険は外国籍を除くため一般的に日本人駐在員は対象外です。但し、台湾人配偶者がいる場合は対象になります。
保険料負担割合は以下のとおりです。
(1)普通事故保険…企業70%、被雇用者20%、台湾政府10%
(2)職業災害保険…企業100%
(3)就業保険…企業70%、被雇用者20%、台湾政府10%
労工保険は、雇用者(董事長等)の加入義務はありません。
また、被雇用者数が5人に満たない場合、(1)普通事故保険、(3)就業保険の強制加入義務はありませんが、(2)職業災害保険の加入義務があります。
各労働者は月給金額に応じて保険料を納め、当該保険料や給付金額は、当局が定めている保険掛金等級によります。
したがって、昇給等による月給金額の変更や、当局による保険等級変更により保険料が変わるため、人事担当者は注意が必要です。