台湾で最長の連休となる春節は旧暦の正月にあたり、2024年は2月上旬に7連休となります。
労働日の振替をせず勤務する場合は割増賃金の支給が必要ですが、パートタイム労働者の場合、国定休日の調整は必要ありません。そのため、2/9(金)から2/12(月)までの期間に稼働した場合、日給相当額を上乗せ支給する必要があり、結果として通常比2倍の賃金受給となります。
以下は政府カレンダーに準ずる企業の計算方法ですが、サービス業等は業務上の必要性により、労使双方の同意を経て、出勤日を振替調整できます。暦上の休日は調整を経て通常出勤日となるため、当該日に出勤しても割増賃金は発生しません。
業種や勤務形態により、各労働者の実状に基づいた割増賃金の計算が必要となりますのでご注意ください。
2/8(木) 調整休日 賃金計算区分:休息日
2/9(金) 除夕(旧暦の大晦日) 賃金計算区分:祝日
2/10(土) 初一(旧暦の元日) 賃金計算区分:休息日
2/11(日) 初二 賃金計算区分:定例休日
2/12(月) 初三 賃金計算区分:祝日
2/13(火) 初四 賃金計算区分:祝日
2/14(水) 初五 賃金計算区分:祝日
時給相当額を100とした場合、各区分と支給額の関係は以下のようになります。
区分 労働時間 |
通常日 |
祝日 |
休息日 |
定例休日 |
~8h |
N/A |
+800 |
(~2h) +134*h |
+800 +代休 |
(3~8h) +167*h |
||||
~10h |
+134*h |
+134*h |
+267*h |
+200*h +代休 |
~12h |
+167*h |
+167*h |
+267*h |
+200*h +代休 |
備考 |
|
8時間以内も8時間と処理 |
代休処理の場合:実労働時間を振替 金銭処理の場合:割増賃金を支給 |
8時間以内も8時間と処理 天災時以外は労働不可 |
春節時の商習慣について、以下に幾つか紹介します。
(1)最終出勤日
帰省や旅行等による春節期間の交通混雑を回避できるよう、最終出勤日は定時より早く退勤を認める場合があります。
一方、同時期に営業が必要な業種では、状況に応じて特別手当や代休等を支給して、労働力の確保に努めています。
(2)飲食店の営業時間
除夕(旧暦の大晦日)は、家族や親戚が集まり食卓を囲む為、同日の夜は社員に配慮して営業しない店舗もあります。
(3)賞与
在台湾日系企業に対する弊社調査によると、約3割が年1回、約6割が年2回の賞与を支給しています。
いずれの場合でも、台湾では伝統的に旧正月前にボーナスを支給する文化があります。
(4)仕事始めの春節礼金
旧正月や新年の好業績を祝うという目的から、 春節明けに「開工紅包」と呼ばれる赤い封筒を手渡す文化があります。
弊社調査によると、春節礼金を支給している日系企業は約7割であり、金額は主に2,000元から3,000元の範囲です。