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選考/内定辞退を減らす方法

2024-07-09 00:00:00

人事労務コラム

人材の売り手市場により、複数の企業の選考を同時進行で進める求職者が増えています。そのため、時間をかけて選考をし、内定を出したものの、辞退となるケースがあります。
そこで、内定辞退の理由と内定辞退を減らすための取り組みについて、ご紹介します。

 

■求人票の内容と異なる
給与レンジや残業、待遇、休日数等、求人票の内容と異なる場合、辞退に繋がることがあります。雇用条件を曖昧にして選考を進めてしまうと、最終面接時に、思っていたのと異なると辞退の理由となりかねません。正直な求人情報と、面接官の正しい説明が重要です。
求人票には正直に記載することで、企業への信頼が増し、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

 

■内定までの期間が長すぎる
選考から内定までの期間が長い場合、求職者が「自身を採用することに積極的ではなさそう」と不信感を抱くことがあります。複数の会社にエントリーしている場合、内定までの期間が長ければ、その分、他社と接触する機会も増えます。特に台湾系企業は選考スピードが速く、面接したその日に内定が出ることもあります。企業からの結果まで待っている間に、他企業から内定を受け、辞退となるケースは珍しくありません。最終面接から3日以内の結果連絡をお勧めします。

 

■印象が変わった
最終面接で企業を訪問した際、対応した社員やオフィスの雰囲気が悪ければ、内定を出したとしてもその印象を理由に辞退につながる可能性があります。以下に例をご紹介します。
・面接官が遅刻をしてきた
・トイレが不衛生で、毎日通勤したい会社だと思えなかった
・面接官の対応が高圧的で怖かった
・社内の雰囲気が暗い
・面接官が一方的に話をしていた
・面接官同士の仲が悪そうだった
少なからずその企業に魅力を感じ、期待を持っている中で、イメージとのギャップが大きければ、残念に思う以上にショックを与えかねません。企業は選ばれる立場という認識を持ち、求職者と接することが必要です。例えば、面接来社のお礼を述べて誠意ある対応をすることで、求職者に好印象を与えられます。

 

■家族からの反対
台湾では、家族の声を優先することが多く、実際、家族からの反対を理由とした辞退例は少なくありません。具体的には「通勤時間が長くなり、子供の学校の迎えに間に合わない」、「残業や接待が多く、家族と一緒の時間が減る」等の配偶者からの反対です。面接時に家族の同意は得ているか、両親や義理の両親等のサポートを受けられるかの確認をするとよいでしょう。

 

■ネット上に企業のマイナスな評価がある
ネット上での企業の悪い評判や、労働局ウェブサイトで過去の労働法違反内容を見つけた等の理由により、辞退となるケースがあります。特に家族や両親は内定先企業を直接知る機会が無いため、ネット上の評判に左右される可能性が高いと言えます。事実と異なる内容もあるかと思いますが、日頃の労基法順守等、効果が期待できそうな対策を一つ一つ着実に実施していくことが、内定辞退を防止する観点からも今後ますます重要になっていくと考えられます。

 

売り手市場と呼ばれる中、求職者は複数の企業から内定を得ている事が多く、選考/内定辞退はある程度避けられない状況です。しかし、辞退の原因を知り、対策を取ることで、辞退を減らす事ができるでしょう。