社会や環境の変化と共に、社員が理想とする働き方やキャリアの考え方が変化しています。個々の事情に応じた多様な働き方が尊重され、より働きやすい職場を求める時代です。社員一人ひとりが持続的な成長を続けるためには、管理職の能力が、これまで以上に問われるようになってきました。台湾では、どのようなリーダーシップが求められ、評価されるでしょうか。
弊社は、台湾に拠点を置く企業に向けて「社員意見調査サービス」を展開しています。調査は「組織の健全性」「企業文化」「リーダーシップ」「仕事と発展性」「報酬と福利」「労働環境」の6つの領域で構成されます。その中から今回は「リーダーシップ」に注目しランキング形式でご紹介します。
部下が上司に満足していること
No.1 必要なときはいつでも上司に相談できる。
No.2 上司は部下を尊重している。
No.3 他者の成功に対し賞賛する。
No.4 情報提供についていつもオープンである。
No.5 部下に対し組織の目標を効果的に伝える。
部下が上司に不満を感じていること
No.1 上司からの否定的な評価や影響を心配して自分の意見を言えない。
No.2 部下のキャリアプランを気にかけていない。
No.3 社内で衝突が発生した時、効果的に処理することができない。
No.4 言動が一致していない。
No.5 同じ目標に向け情熱を燃やせるような励ましがない。
ランキングが示すように、台湾にある多くの企業では、上司が部下を尊重し成功をほめることができ、困った時に相談しやすい存在として高い評価を得ています。一方で、問題が起きた時の行動力や処理力については不満を感じているようです。更に昨今、「この企業では成長できない」「自身のキャリア形成が見込めない」等を理由に離職する人が増えていますが、調査結果からも、上司が自身のキャリアを気にかけてくれることも期待することの一つのようです。
弊社の管理職研修やリーダーシップ研修に参加する受講生の中には、気づけば部下を持ち、なんとなくチームをまとめているが、実際は部下からどう評価されているのか、部下が何を考えているのか分からない、と悩んでいる方も少なくありません。部下の士気や意欲を高め、業績を上げたいが、どのような行動が部下に響くのか分からないという声もあります。この記事が、管理職の皆様が自身の考え方や行動を振り返るきっかけとなり、今後の成長に向けた新たな気づき・ヒントとなれば幸いです。