労働基準法第16条第2項では、雇用者が労働契約を終了する際に法定の予告期間をもって通告した場合、
労働者は「求職休暇(中国語:謀職假)」を申請し、勤務時間内に外出して就職活動を行う権利を有する、と定められています。
会社が組織再編や人員削減等の事情で法令に基づいて従業員を解雇する場合、前回の記事「解雇について(前編・後編)」でも触れたように、解雇予告期間の賃金を支給し、「求職休暇(中国語:謀職假)」を与える必要があります。
一、求職休暇の4つのポイント
- 毎週(7日ごと)に最大2日の求職休暇を与えなければならない。
- 休暇中も賃金は全額支給しなければならない。
- 労働者が求職休暇取得を申請した場合、雇用者は拒否できない。
- 就職活動の証明書(面接通知等)を求めてはならない。
❌ 誤った考え方① 会社が「面接通知」や「企業からのメール」等の証明を求めるのは間違い
求職休暇を申請する際、いかなる証明書も提出する必要はありません。
労働者が「仕事探しのため」と説明すれば、それで十分です。
勞工請假規則第10条は、私用休暇及び病気休暇を申請する際に、雇用者は労働者に対して関連証明書類の提出を求めることができると規定していますが、求職休暇は当該規則の対象外となるため、雇用者は証明書提出を求めることはできません。
❌ 誤った考え方② 「予告期間が1週間未満だから求職休暇は取れない」は間違い
予告期間開始日から起算して「7日間の区切り」ごとに最大2日の求職休暇を取ることができます。
二、求職休暇の取得事例
7月10日に従業員Aへ解雇通告(労働基準法第11条による整理解雇)
最終出勤日:7月20日
勤続期間:3か月
法定予告日数:10日→予告期間は7月11日〜7月20日
従業員Aが取得できる求職休暇日数:合計4日間
7月11日~7月17日(第1の7日間)の内2日間
7月18日~7月20日(第2の7日間)の内2日間
三、まとめ
求職休暇(謀職假)は、労働基準法で明確に保障された労働者の権利です。
雇用者が休暇取得を拒否したり、従業員に求職活動の証明提出を求めた場合は、2万〜30万元の罰金が科されます。企業は法令を遵守し、従業員の求職活動に対して適切に配慮することが求められます。