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2024年新卒者が選ぶ憧れの企業ランキング

2024-10-15 00:00:00

人事労務コラム

台湾の大手求人サイト「yes123」は、2024年新卒学生が選ぶ憧れの企業ランキングを発表しています。

 

新卒者の83.6%が台湾系民間企業での就職を希望し、63.6%は日系を含む外資系を希望、32.3%は国営企業を希望、28.9%は起業を考えている結果となっています。(複数回答可)
業界別にみると、ハイテク製造業では台湾積体電路製造(TSMC)が11年連続トップでした。一般企業では長栄集団(エバーグリーングループ)が3年連続で1位でした。

 

いずれも株式上場の台湾系大手企業となります。
以下、弊社登録人材からの感想を含む各企業の特徴をご参照ください。

 

ハイテク製造業

 

1位 台積電Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd
「台湾半導体の父」と呼ばれる張忠謀(モリス・チャン)が創業。
近年の世界的な半導体需要の増加を受けて事業が拡大し、研究開発費はこの10年で約4倍となっています。台湾政府も科学技術人材確保のため、産学官連携による高度人材(修士号や博士号を有する者)の育成に取り組むため、台湾大学や科技大学等に自社の研究開発センターや半導体課程を設けています。学士の卒業単位には含まれないものの、課程を修了すると就職活動に考慮されるようです。

 

2位 中華電信CHT-Chunghwa Telecom Co., Ltd.
台湾の通信最大手。
電信事業民営化へ移行し今年20年目になりますが、依然として半公共企業としてのイメージを持っている方が多く「失職の心配がない」、「安定性がある」更には「生活基盤を支えていて社会貢献も大きい」等の魅力を感じているようです。

 

3位 鴻海Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.
EMS(電子機器受託生産サービス)の世界最大手。
米アップルのサプライヤーとしても知られ、人工知能(AI)サーバー事業が好調、今年の台湾長者番付で創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)が3位に入りました。今年3月からの新卒採用の初任給は、優秀人材確保の為、学士卒45,000元以上、修士卒52,000元以上、博士号取得者には60,000元以上の月給額を提示しています。社会人経験が無い入社1年目でも年収100万元を超える社員がいるようです。


(4位 華碩ASUSTEK COMPUTER INC、5位 聯發科MediaTek Inc.)

 

一般産業

 

1位 長榮集團EVERGREEN Group
台湾最大手の運輸企業グループ。
グループの中核を成すのはエバーグリーンマリン(海運会社)でありコンテナ貨物輸送規模は世界第4位。台湾民間初の航空会社であるエバー航空も立ち上げ、他にもホテルや交響楽団を設立。コロナ禍以降も海運事業が好調であったため、2023年旧正月の賞与平均支給額は基本給の45か月となり、注目を集めました。

 

2位 台灣高鐵Taiwan High Speed Rail Corporation
台湾の新幹線会社(台湾高速鉄道)。
日本の新幹線方式の車両を採用し、2007年に開業しました。在来線の台湾鉄道と比較すると、台湾高鉄非管理職の平均月給は89,000元であり、台湾鉄道と40,000万元以上の月給差があります。
台湾交通部の男女統計課のデータでは、台湾高鉄の女性運転士の人数は台湾鉄道の約10倍であり、運転時間の短さや労働環境の良さから女性社員の登用も多いようです。

 

3位 誠品Eslite Bookstore
1989年開業。
それまで台湾にある書店といえば、棚に並ぶのは受験参考書ばかりで、通路はとても狭苦しいものでした。「単なる書店ではなく、一つの空間であり、心身共に安らげる一つの場を作りたい」という創業者の想いからライフスタイル重視の文芸青年を意味する「文青」文化も生み出しました。子会社の「誠品生活」はこだわりの生活用品、食料品等を混在させ、セレクトショップとして独自の商業施設モデルへ発展し、台湾の文化発信地として親しまれているため、特に若者への印象が良い企業です。


(4位 中華航空China Airlines、5位 統一集團UNI-PRESIDENT ENTERPRISES CORP.)