台湾をはじめとするアジア地域では、日系企業が直面する市場環境が急速に変化しています。加えて、人材の確保・育成・定着は、これまでになく重要かつ困難なテーマとなっています。
こうした中、社会全体が「BANI時代」(Brittle=脆弱、Anxious=不安、Non-linear=非線形、Incomprehensible=不可解)と呼ばれる、複雑かつ予測困難な時代に突入しており、従来型のマネジメントや価値観だけでは対応が難しくなっています。
なぜ、今「人と組織の発展」が必要なのか?
企業が持続的に発展していくためには、製品やサービスだけでなく、現場で働く従業員の成長とエンゲージメントが不可欠です。
アメリカの自己啓発家ジグ・ジグラーの言葉に、「まず人材を育てよ。人材が企業を育てる」というものがあります。この言葉は、まさに今の時代において一層の真実味を帯びていると言えるでしょう。
企業が変化の激しい環境を乗り越えて成長を続けるためには、人材の育成こそが最も重要な戦略です。
組織づくりの4つの視点
私たちは、以下の観点から、現地での組織マネジメントを見直すことを提案します。
1. 人材採用
・経歴だけで、適性や給与を判断するのではなく、「従業員が創出できる価値」に注目します。
・即戦力だけでなく、変化に対する「適応力」と「学習力」を評価軸に加え、将来の成長性を見据えて選考を行います。
2. 人材育成
・実務に直結するスキルの習得はもちろん、多角的な視点を持ち、変化に対応し続ける学びの姿勢を育成します。
・成功も失敗も貴重な学びの機会と捉え、継続的な成長を促す組織文化を醸成します。
3. 人材活用
・傾聴と共感の姿勢を持ち、信頼関係を築きます。
・組織目標を明確に定めた上で、適切な権限委譲を行い、現地メンバーの主体性と自律性を引き出し、効果的にフォローアップにつなげます。
4. 人材定着
・給与や待遇等の外的報酬に加えて、仕事の意義や成長実感といった内発的動機づけを大切します。
・従業員の強みを活かし、個々のモチベーションにつなげるために、ポジティブな職場体験を提供します。
多文化・多世代環境で求められる姿勢
台湾では特に、若手世代の価値観やキャリア志向も多様化しており、リーダーには「聞く力」や「柔軟なマネジメント」、そして現地スタッフとの信頼関係の構築が求められます。
「人を動かす前に、人を理解すること」こそ、異文化組織で働く私たちにとって、最も大切なマネジメントの原点です。
海外拠点から未来をつくる
社会が激しく変化する今だからこそ、従業員と真摯に向き合い、組織全体で学び合う姿勢が求められます。
私たちは、日系企業の台湾拠点に寄り添い、採用・育成・活用・定着の各段階において、実践的かつ効果的な人材戦略の支援を提供しています。
・現地管理職向けマネジメント研修
現地のリーダーが主体的にマネジメントできる力を育てる実践的なプログラム
・未来の管理職育成
次世代の幹部候補を計画的に育成し、組織の継続性を確保
・多様性のある組織におけるコミュニケーション支援
文化や価値観の違いを乗り越え、相互理解と信頼関係を築くことで、より良い連携とチームワークを実現
・コンプライアンスを重視した職場づくり支援
互いを尊重し、助け合い、誰もが安心して働ける環境を整備
本社と現地、上司と部下、ベテランと若手といった立場や文化の違いを越えて、共に学び・共に成長する職場を目指すことが、グローバルで戦える企業への第一歩です。皆さまの挑戦を心より応援しています。