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出産時の休暇・福利厚生について

2025-02-04 00:00:00

近期HR資訊

台湾には、女性が安心して出産し育児と仕事を両立できる、充実した出産休暇制度が整っています。本記事では、台湾の出産休暇制度について、具体的な内容や特徴、制度の背景などを詳しく解説し、法律以外の福利厚生の設定事例もご紹介します。

 

■妊娠検診休暇(產檢假):7日間
妊娠中の労働者は、妊娠検診時に半日又は1時間単位で休暇を取ることができます。休暇取得日の賃金は全額支給されます。企業は6日目と7日目に支払う賃金について、保険局へ申請の上補助金を受けることができます。

■妊娠安定休暇(安胎假):入院中の病気休暇と合わせて計算(2年の内合計1年間)
妊娠中に安静が必要な場合に、労働者が安心して休養できるように休暇を取ることができます。
賃金については通常の病気休暇と同様に扱われ、1年間に30日を超えない範囲で、賃金の半分が支給されます。

■産前産後休暇(產假):産前産後合わせて8週間(流産の場合、別規程)
休暇取得日の賃金は全額支給されます。ただし、勤続6か月未満の場合は半額支給となります。
労働者が申請する際には通常、医療機関発行の出産予定日が記載された証明書、産後は出生証明書の提出が必要です。

■検診及び出産付き添い休暇(陪產檢及陪產假):7日間
配偶者の妊娠検診や出産に立ち会う場合に半日又は1時間単位で取得できる休暇です。休暇取得日の賃金は全額支給されます。妊娠検診休暇と同様に、6日目と7日目に支払う賃金については、企業は保険局へ申請の上補助金を受けることができます。

■育児休業:各子女につき、3歳になるまでの期間で最長2年間
勤続6か月以上で3歳未満の子女の育児をする労働者が男女問わず取得できる休暇です。1回あたり30日以上という条件で短期間の申請も可能ですが、このような短期間の申請は2回までと決められています。企業によっては、1日単位での育児休業の申請を認めるなど、より柔軟な制度を導入しているところもあります。
育児休業手当として、育児休業開始前6か月間の就業保険等級金額の80%を受け取ることができます。(2025年時点最高等級金額は72,800元)申請するには、就業保険に1年以上加入していることと、休暇期間中にアルバイトや一時的な復職をしておらず労働収入が無いことが条件となります。


企業は、社員が上記休暇を取得したことを理由に個人評価や皆勤手当ての支給に影響させることはできません。また、就業規則、労働契約又は団体協約において、社員が結婚、妊娠、出産、又は育児を行う場合は退職又は休職しなければならないこと、あるいはこれらの理由で解雇することを規定したり、事前に合意したりすることも禁止されています。

 

台湾では、少子化対策の一環として、休暇制度の充実化を中心に出産・育児を支援する政策が積極的に推進されています。直近では2021年に、政府補助の追加による育児休業手当増額や、短期間でも育児休業を取りやすくする制度への変更が実施されました。
民間企業においても、働きながら子供を育てる家庭を支援する企業であることを積極的にアピールする企業が増えてきており、例えば台湾の代表的な企業である中華電信(台湾最大の電気通信事業者)では、以下のような福利厚生の取り組みを実施しています。
・子供手当:出産した社員に対し、80,000元支給。
・育児手当:6カ月分の法定育児休業手当受給終了後、会社から給与の半分を支給。
・子育て補助:毎年0~6歲の子がいる社員に6,000元支給。
・育児社員の時間短縮:3歳未満の子がいる社員は、1日1時間勤務時間を短縮することができ、給与が減額されない。※法律上は短縮分減給できる。
・保育施設整備:託児施設を設置し、社員には割引価格でサービス提供。

 

台湾では女性の社会進出が進んでおり、結婚や出産後も仕事を続けることが一般的です。今回ご紹介した法律上の規定や休暇制度を把握し、妊娠中の社員や家族を支える配偶者に理解と配慮を示すことが優秀人材の確保や企業イメージアップに繋がります。

 

参考リンク(中国語)