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人事管理制度における”評価結果反映(昇格)”の概要

2024-12-24 00:00:00

近期HR資訊

企業経営に必要な人事管理制度は、幾つかの要素に分けて考えることができます。
今回は「評価結果反映(昇格)」の概要を共有します。

 

昇格に対する考え方は複数あり、"等級"と"職名"だけを見ても以下の例があります。
・上位等級になり、上位職名に変更。
・上位等級になり、職名は変更無し。
・等級は変更無く、上位職名に変更。

 

いずれの場合においても、労働者の期待は賃金(昇格に伴う昇給)が主であり、その他に、対外的印象や業務上決裁権の拡大も関心要素となります。
昇格は生産性向上に有効な処遇であり、個別面談を実施して昇格後に求められる能力や、担うべき責任について確実に伝えることが重要です。

 

なお、昇格は昇給を伴う場合が多いため、経常的な雇用コストが増加する点は軽視できません。
特に台湾では、降格に伴う減給を実施する際、労働基準法第21条が定める"賃金は労使双方で定める"を遵守する必要があります。
つまり、減給に際しては労使双方の同意が必要であり、降格時であっても雇用者(企業)が一方的に減給を実施することはできません。

 

よって、昇格時の昇給に条件を設け、特定の状況下で賃金減額が可能となるよう設定する場合もあります。
一例となるのは、職位手当の項目を設けることです。
"主任"や"課長"を務める対価として職位手当を支給し、当該職位を(昇格/降格ともに)外れる場合は手当の支給を停止すると定めます。
ポイントは、手当支給時に労使合意を交わすことです。

 

経常的な雇用コストの増加には多くの企業が慎重であり、複数年度にわたる良好な評価を昇格の前提条件と定めて、パフォーマンスの継続性を合理的に確認しています。
これは、単年度の結果反映である昇給や、一過性の結果反映である賞与と大きく異なり、昇格には一定期間の観察を要すべきとの考えです。
ですが、過度に慎重な姿勢は成績優秀者のキャリアパスに障害となる場合があるため、昇格条件を満たしていない場合の例外に対応するため、特別推薦制度を設ける等の対応も必要です。