台湾は来月春節を迎え求職活動が一年で最も盛んになります。
採用面接は、企業が応募者を見極めると同時に、求職者が企業を見極め、待遇を交渉する大切な場となります。
求職者は、どのような気持ちで面接に臨むのでしょうか。「この質問は合否に影響するのでは?」と躊躇する場合もあるかもしれません。
弊社だからこそ知り得る求職者の本音について共有します。
気になるけれど聞きにくい質問 3選
(1)残業の有無
実際の残業状況が入社時の想定と大きく異なる場合、離職の原因にもなり得ます。しかし、実際にはとても聞きにくい質問であるため、企業は自らできる限り具体的に説明することが大切です。
例えば業務スケジュールを可視化して示したり、1日のタイムスケジュールや、1週間、1か月、1年の繁忙期等を説明し、求職者に入社後の状況をイメージしてもらうことが有効です。
(2)社内の雰囲気
「同僚にはどのようなタイプの社員がいるか」や「実際の職場に同年代の社員はいるか」等、社内の雰囲気や社員の年齢構成、職場での服装規定について関心を持つ求職者が増えています。
将来一緒に働く社員を面接に同席させたり、社内事務所、工場・倉庫等の見学を実施することで、求職者にこれらを体感してもらうことができます。
(3)キャリアパス
「入社後どのように活躍していけるか」「研修体制はどのようになっているか」「賃金はどのように上がっていくか」等多くの求職者がこれらの事項に関心を持っています。
新卒入社から定年退職まで勤め上げる例が比較的少ない台湾では、前例となる先達を見ながら参考にすることが難しいため、企業がキャリアパスの実例を示すことが大きな意義を持ちます。
"頑張れば評価される"という言葉ではなく、実際に活躍している先輩社員の実例を示したり、日本本社への研修制度や転籍制度がある場合はその概要を、また、賃金体系やインセンティブ制度がある場合は、可能な範囲で回答することも求職者に響きます。
面接は企業や求職者が相互理解を深め、お互いの疑問を解消するための大切な場です。
コミュニケーション不足による早期離職で、費用と時間をロスしないためにも、過度な詮索や疑念を排して、求職者が気負わずに話せる場を設けましょう。